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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻4号

1984年04月発行

文献概要

特集 臓器移植の最前線

腎臓移植の現況と展望

著者: 中根佳宏1 岡隆宏2

所属機関: 1滋賀医科大学第1外科 2京都府立医科大学第2外科

ページ範囲:P.467 - P.474

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はじめに
 日進月歩する臨床医学の中にあつて,近年とくに脚光をあびている分野の一つとして,臓器移植をあげることができる.その中でも,とりわけ腎移植は施行された症例数や臨床成績の上で抜群の成果をあげており,今や慢性腎不全の根治療法としての地位を確立するに至つている.とくに最近わが国においては,透析患者が急増し,これが社会的にも経済的にも大きな問題を投げかけるに及んで,腎移植に対する要望がいちだんと高まりつつある.
 しかし、この腎移植に関しては,わが国においてはまだ一般の理解が得られたとは言い難く,多くの患者の希望をかなえるためには,死体腎の提供促進を含めた死体腎移植システムの整備や腎センターの設立など,今後整備していかねばならない問題が多い.また,治療上においても,特異的な免疫抑制剤の開発や拒絶反応,とくに慢性拒絶反応の対策など解決せねばならない問題が数多くあることも事実である.そこで,腎移植の現況と将来への展望を中心に述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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