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特集 臓器移植の最前線
膵臓移植の現況と展望
著者: 出月康夫1 窪田倭1
所属機関: 1聖マリアンナ医大第1外科
ページ範囲:P.485 - P.494
文献購入ページに移動はじめに
若年性糖尿病に対する膵移植も欧米においてはすでに多数の臨床治験が行われ,膵を移植してラ島機能を移人することによつてType Ⅰ糖尿病(Insulin dependent type)が完治しうることが明らかにされている.臨床治験の初期のころには膵移植の対象患者も糖尿病末期の多臓器障害をともなうものに限られ,また免疫抑制手段も現在とらがつて限られていたことから,移植膵の拒絶反応による脱落や感染症などの合併症による死亡例も多く満足すべき成績がえられなかつたが,最近ではCyclosporin Aなどの新しい免疫抑制剤が臨床に導入され,また膵移植の対象となる患者を選択することによつて移植成績は急速に向上してきている.
この間,膵移植と比べるとrcCipientに対する侵襲がより少ない分離ラ島移植が注目され,1970年から1980年にかけて盛んに研究が行われ,臨床にも応用されたことは周知の通りである,自家移植または同系動物間の移植では良好な移植ラ島の機能が見られており,その臨床応用の結果が注目されたが,同種移植では分離ラ島はきわめて強い拒絶反応を受けることが明らかにされ,現在では同種ラ島移植の臨床例への応用は中止されている.
若年性糖尿病に対する膵移植も欧米においてはすでに多数の臨床治験が行われ,膵を移植してラ島機能を移人することによつてType Ⅰ糖尿病(Insulin dependent type)が完治しうることが明らかにされている.臨床治験の初期のころには膵移植の対象患者も糖尿病末期の多臓器障害をともなうものに限られ,また免疫抑制手段も現在とらがつて限られていたことから,移植膵の拒絶反応による脱落や感染症などの合併症による死亡例も多く満足すべき成績がえられなかつたが,最近ではCyclosporin Aなどの新しい免疫抑制剤が臨床に導入され,また膵移植の対象となる患者を選択することによつて移植成績は急速に向上してきている.
この間,膵移植と比べるとrcCipientに対する侵襲がより少ない分離ラ島移植が注目され,1970年から1980年にかけて盛んに研究が行われ,臨床にも応用されたことは周知の通りである,自家移植または同系動物間の移植では良好な移植ラ島の機能が見られており,その臨床応用の結果が注目されたが,同種移植では分離ラ島はきわめて強い拒絶反応を受けることが明らかにされ,現在では同種ラ島移植の臨床例への応用は中止されている.
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