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"脳死"をめぐつて 竹内一夫先生
著者: 出月康夫1 竹内一夫2
所属機関: 1聖マリアンナ医大1外 2杏林大脳神経外科
ページ範囲:P.525 - P.527
文献購入ページに移動竹内 脳死は,定義からいうと,脳全体が非可逆的に機能を喪失している,つまり死んでいるという状態で,生物学的にはきわめて明確な現象なわけですね.たとえば,いろいろな疾患,病態というもので病理学的にもなかなかつかみにくいという病態が多いわけです.電子顕微鏡まで持ち出さなければわからないとか,他のいろいろな診断方法を使わなければわからないという病気はたくさんあるわけですけれども,脳死というような非常にはつきりした状態は,脳が死んでいるんだからかなり明確な状態だと,だから,そういう脳が死んだ状態というものを医学的に判定するというのは理論的にはそう難しいはずではないわけです.判定基準というものがたくさんあるけれども,それはあくまでも物差しであつて,臨床に携わつているものは脳死を判定するということはそんなに困難ではないんです.
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