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外科医の工夫
制癌化学療法における長期間静脈確保のための皮下永久埋没カプセル法
著者: 奥平恭之1 竹中賢治1 松元輝夫1
所属機関: 1Hahnemann大学医学部外科 2
ページ範囲:P.547 - P.549
文献購入ページに移動現在,化学療法は癌治療における単独療法,または外科治療との合併療法として欠かせないものとなつている,しかしながら長期間の制癌化学療法は,通常の経静脈による制癌剤の投与ではしばしば血栓性静脈炎を併発し,静脈の確保が不可能になることが多い.
このためHickman1,2)は,単一管または二重管のカテーテルを腕頭静脈切開によつて上大静脈内に挿入し,カテーテルを胸部皮下トンネルを通して前胸壁皮膚外に露出する方法を考案した.現在この方法は,制癌剤投与のための静脈確保法として広く使用されている.しかしながら,このカテーテルは末端においてその一部が体外に露出されるため,患者の行動が著しく制限されると同時にカテーテルの皮下入口部に炎症性反応や感染が起こりやすく,また発熱の際にはカテーテル敗血症を懸念して抜去せざるを得ない事態がしばしば起こるという点で,改良の必要があつた.
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