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臨床報告
誤嚥された魚骨片により惹起された腹壁放線菌症の1例
著者: 菅淳一1 上田祐滋2 亀井隆史1 籾井真美1 恵良昭一3 岩崎一教2
所属機関: 1東国東地域広域国保総合病院外科 2九州大学医学部第1外科 3国立別府病院病理検査部
ページ範囲:P.551 - P.553
文献購入ページに移動放線菌症は,放線菌によつて引き起こされ特有のSul—fur granuleを病理学的特徴とする慢性の化膿性・肉芽腫性疾患であり,発症部位により顔面頸部,胸部,腹部放線菌症の3つに大きく分けられている.このうち腹部放線菌症は本症全体の約20%に発症する比較的稀な疾患であり,一般には急性虫垂炎や消化性潰瘍,腸憩室穿孔や外傷のあとに腹腔内膿瘍の形でづ発症する事が多い.
本症の成因に関しては,正常の消化管粘膜の防御機構が外傷や疾病により破壊される事により,消化管内に常在する放線菌が腹腔内に遊離され病原性が惹起される事が,多数の臨床例により明らかにされているが,その詳細については不明な部分も多い.
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