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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 甲状腺・上皮小体手術

誤つて反回神経を把んでしまつた

著者: 三村孝1

所属機関: 1東京都済生会中央病院外科

ページ範囲:P.744 - P.744

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 局所麻酔で手術を行う場合は,反回神経の近くの操作時,母音を発声させながら手術を進める.誤つて反回神経を把むと嗄声をきたす.直ちに鉗子を開放する.反対側の反回神経を損傷しないように注意し手術を終る.両側反回神経麻痺では,声帯が正中位に固定し窒息をきたす.片側を把んだ場合は特別な処置を加えなくとも2〜3カ月で嗄声は回復する.
 全身麻酔で手術を行い,反回神経を損傷したおそれのあるときは,抜管時声帯の運動をみて反回神経麻痺の有無を確認する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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