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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 食道手術

乳糜胸を作つてしまつた

著者: 鶴丸昌彦1 秋山洋1

所属機関: 1虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.752 - P.753

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 胸管は胸腔内では奇静脈と大動脈の間にあり上行するに従い食道と隣接するようになり,更に上縦隔すなわち,奇静脈付近ないしは第4〜5胸椎付近で左側へ偏位し,左静脈角に注ぐことが多い.食道と胸管は大部分が相接しているため,胸部食道の進行癌では合併切除されることが少なくないし,また,胸管内に腫瘍塞栓が見られることがあるとの理由でルーチンに合併切除する施設もある1)
 胸管を術中損傷した時はその上流(腹腔側)で確実に結紮しておかないと乳糜胸となる.乳糜胸の死亡率は報告者により異なるが10%から50%までで,以前にはかなり高い死亡率であつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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