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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 胃・十二指腸手術

郭清ができるとおもいブルゼクトミーを始めたら腹腔動脈幹が腫瘍でうまり,処置が困難

著者: 前田昭二1 湯浅鐐介1

所属機関: 1前田外科病院外科

ページ範囲:P.763 - P.763

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 的確な判断は手術にとつて重要な条件の1つである.開腹時いきなりブルゼクトミーにとりかかる事なく,壁側腹膜,ダグラス窩など観察の上,また血管の処理が可能か否か充分検討をするのが当然である.ブルゼクトミーも大網の脂肪,血管の少ない病変部より出来るだけ離れた部位に電気メスにて切開を加えブルザの中より,胃後壁,膵上縁,膵尾部附近を観察し左胃動脈,腹腔動脈の処理が可能か否かをまず判断すべきである.この際腹壁,腹腔内の腫瘍細胞による汚染をさけるため極力無駄な操作はしない様にする.切除不能な場合は大網をほぼ横行結腸にそつた位置に復元し,マイトマイシン20mgを腹腔内投与する.又1,000〜2,000 mlの生食水で腹腔内を洗浄しておくのも良い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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