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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 胃・十二指腸手術

開腹したらS3の膵臓で門脈浸潤があつた

著者: 前田昭二1 湯浅鐐介1

所属機関: 1前田外科病院外科

ページ範囲:P.764 - P.764

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 このケースはStageⅣの進行癌と老えるべきで可能であれば血管再建を伴う合併切除を行う.しかしかかる症例に対しての術式の選択は慎重を要し特にpoor risk,高齢者に対しては十分検討されねばならない.
 黄疸に対しての処置:かかるケースでは当然黄疸を伴つている事が多いのでこれに対する処置が必要となる.総胆管上部に健常部があれば,十二指腸総胆管吻合,あるいは空腸総胆管吻合を行う.胆嚢を利用した内胆汁瘻は黄疸の軽減と言う点では余り期待出来ない.これらも不能ならば外胆汁瘻を設置する.通過障害に対しては,Antrum,corpusに空腸吻合が出来ればこれを行う.この際我々は病変部を噴置する方法をとつている.即ち胃の健常部にペッツをかけまず切断する.An—trumの断端を縫合し小彎側に,ネラトン10号〜15号を用いWitzelの胃瘻を造設し腹壁外に固定する.口側の胃はブラウン吻合結腸前胃空腸吻合を行う.この方法の利点は通過障害等がなくなるため食事の摂取が可能となり,又病変部は胃内容などにより刺戟を減少せしめ得る.Witzelのチューブより5FUエマルジオンなど制癌剤を局所に注入している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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