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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 胃・十二指腸手術

亜全摘で支配血管を切り胃がチアノーゼを起こした

著者: 前田昭二1 湯浅鐐介1

所属機関: 1前田外科病院外科

ページ範囲:P.765 - P.765

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 胃に行つている動脈は,左胃動脈,左胃大網動脈,右胃動脈,右胃大網動脈,短胃動脈の5本でこれらは腹腔動脈系の血管であるが,時に大動脈よりの下横隔膜動脈の分枝が噴門部に分布する事もあり,また食道の動脈と噴門部で粘膜下での吻合があると言われ,噴門の一部はこの血流を受ける事が出来る.これらの動脈は粘膜下で相互に吻合し血管網を形成するため,胃は血液灌流の最も良い臓器の一つである.
 胃亜全摘に際しての血流への考慮は腸管にくらべそれ程神経質にならなくてもよい.短胃動脈,左胃大網動脈の分枝の1本あるいは下横隔膜下動脈の分枝があれば残胃の血流は保たれる.かつて我我は肉眼的に残胃に流入する血管が認められぬ状況で胃十二指腸吻合を行い術後も何ら異常を認めぬケースで経験しているがすべての症例で安全とは言えず,残胃の大きさなど考慮すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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