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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 迷走神経切離術

迷切により食道穿孔をおこした

著者: 大久保高明1

所属機関: 1大久保病院外科

ページ範囲:P.769 - P.770

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 迷走神経切離に際しては,よく解剖を理解した上で,ていねいに細い神経枝を,小さい組織とともに,結紮切離されることが原則であり,大きい集束結紮は避けねばならない.また,十分な視野と,めんみつな操作を必要とすることはいうまでもない.
 脱神経を厳密にするために,食道筋層内に埋もれている主幹や,分枝,を粗暴にあつかうと,食道の穿孔,噴門部胃壁を穿孔することが時にある.術中に同部の迷切をおこなう際に,食道内に押入してある胃管を食道壁をへだてて触れることにより,食道壁とくに粘膜層の厚さを念頭におきつつ,注意深く食道周囲を剥離,指を挿入し,直接視野の下にて切離すれば,その危険は少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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