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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている

迷走神経切離術

迷切術中の出血をどうするか

著者: 大久保高明1

所属機関: 1大久保病院外科

ページ範囲:P.771 - P.772

文献概要

食道・胃壁よりの出血
 迷切術中の胃壁の牽引,過伸展,および不注意,粗野な手術操作により,胃小彎側,左胃動脈領域の迷走神経枝結紮切断端に出血をみることがしばしばある.
 全幹迷切における傍食道領域,胃前壁よりの出血は発見容易であり,問題となることはすくない.S.P.V.(selective proximal vagotomy) S.V.(selective gastric vagotomy)では,胃小彎をこまかく,数多く,切離していくので,小彎胃壁よりの出血の頻度は多い.殊にS.P.V.術式では,完全迷切を期せねばならぬため,食道周囲を十分剥離,迷切をするので,同部が,食道裂口を通じ,術後横隔膜上につりあがり術中出血をみのがし,術後の後出血の原因となりうるので,術中に完全な止血が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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