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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 小腸・大腸手術

口径が合わない腸管同士の吻合は

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.779 - P.779

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 腸管吻合は,端側でも側側でも,盲端を最少限にして,ほとんどつくらぬ位にすれば,一向支障はないのだろうが,やはりできるなら端々吻合にした方が,盲管症候群を起こすおそれもなく,最も生理的で理想的だと考えている.そして著者の経験では,口径がかなりくい違つていても,端々吻合が不可能であつたということがない.
 その方法は,腸内容を遮断するための腸鉗子をかけるだけで,吻合部は所謂open techniqueを用いる.吻合部の腸管の両側の断端で,まず腸間膜附着部と反対側に,3-0クローミックカットグートで,全層の結節縫合糸を通し(図1),次に腸間膜附着部側に同様の糸をかけて結び,それぞれ両側の糸を支持糸として把持する.これによつて口径の小さい方の腸管壁は伸展し,形の上では,とにかく両方共同じ長さにして合わせることができる(図2).その上で,自分の選択する腸管吻合法を行えばよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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