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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 小腸・大腸手術

マイルズ手術で尿管(道)を損傷した

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.780 - P.781

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 マイルズ手術で尿管を誤まつて損傷する場合は,その損傷を術中気が付く場合と,気が付かず,術後に会陰創から流出したり,後腹膜に尿の貯溜を起こしてから知る場合がある.また両側共に結紮または損傷すれば無尿となり,導尿しても尿が出ないか,出ても幾分しか出ないなどということになる.
 本稿では術中にわかつた場合に限つて述べる.術中の尿管損傷がすぐわかつた場合には直ちにその対応策を講ずることができる.マイルズの手術の際は,当然尿管は腸管を剥離する前に,分離露出して,細いネラトンカテーテルをかけ,周囲血管を含めて愛護的に扱い,その走行を確かめながら手術をすすめることいまさらいうまでもない.直腸の骨盤内剥離の際,浸潤や癒着などが強いと,尿管が膀胱に入る直前あたりで損傷しやすいが,注意さえしておれば,減多に起こるものではない.尿管損傷は,誤まつて鉤で引張りすぎることもあるというし,結紮することもあるし,誤まつて止血鉗子で圧挫損傷するとか,ボビーで誤まつて焼灼することも起こり得る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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