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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 肝臓手術

門脈結紮糸がはずれた

著者: 山崎晋1

所属機関: 1国立がんセンター外科

ページ範囲:P.795 - P.796

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 設問の意味は例えば右葉切除なら門脈右枝と本幹との分岐部の切断後,本幹側の結紮糸がはずれ,門脈本幹からの大出血などを想定したものと思う,門脈本幹の完全遮断の許容時間は30分と考えてよい.この30分間に門脈本幹を修復すればよい.
 とりあえずの止血は用指的に行う.ペアン鉗子などの強いものでの止血は門脈壁を損傷する.こうして出血を防いでおいて,サテンスキー鉗子又はブルドッグ鉗子を用意する.中枢・末梢側に鉗子をかけ,門脈壁の修復にかかる.血管縫合糸の4-0程度の細いものを用い,連続縫合又は結節縫合をくりかえす.連続縫合の場合は,縫合部の長さが短縮しない程度の強さで締める.一端から他端までの一回の連続縫合が終わつたら鉗子をはずし,血流を再開する,血液の漏れがあつたら,その部を修復しながら連続縫合を折り返す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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