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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている その他の手術

虫垂炎の疑いで開腹したが虫垂がみつからない

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.821 - P.821

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 開腹して虫垂がみつからぬ場合は,a)虫垂があるのにみつけられないか,b)既に切除してあつて存在しないかいずれかの場合になるだろう.その他の可能性として強いて挙げれば,c)過去に虫垂炎を起こして,組織が壊死に陥入つて,虫垂根部で自然に切断され,開腹しないままに自然に治癒して,吸収されその痕跡がほとんど認められないといつたような場合だろうか.
 a)の場合には,開腹して確かに回盲部周辺に急性炎症の所見があり,虫垂炎以外にこれを説明できる他の疾患,例えば,盲腸憩室炎,子宮附属器炎,急性回腸末端炎,急性子宮附属器炎,メッケル憩室炎,その他の疾患がなく,しかも虫垂がどうしてもあるべき所に見つからぬときは,仕方がない.そこにドレーンを挿入して閉腹し,術後,抗生物質で治療する他あるまい.一旦それで治癒してもその後度々,症状を繰り返し,しかも過去に虫垂が切除された可能性が全くなければ,本来なら再開腹して虫垂を切除すべきで,執刀者が経験の少ない外科医なら,経験の多い他の外科医の応援を頼むということであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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