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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている その他の手術

虫垂の炎症が盲腸に及んでいる

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.822 - P.822

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 虫垂の炎症が,虫垂根部を越えて盲腸壁に及ぶ場合は時折経験することである.盲腸壁の炎症の程度によつて処理の仕方も異なるが,軽いものだつたら,虫垂根部の結紮を浮腫状の組織を切るほど強くしばらず,少しずつ,外科結びを使つて,しまる範囲内でしめて,結紮切断し,埋没縫合が可能なら,これも煙草縫合または,2〜3針の漿膜筋層の結節縫合で断端を覆えばよい.
 盲腸壁の浮腫がひどく,上述のような操作が無理なとき,筆者には,虫垂根部で漿膜筋層は結紮して切れてしまい,ただ粘膜管だけをかるく結紮切断,その上をクローシックカットグートで漿膜筋層縫合でかぶせ,念のためドレーンも入れたが,順調に経過退院した例がある.現在なら漿膜筋層縫合には,このような場合ポリプロピレン糸などの方がよいかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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