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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている その他の手術

小児のヘルニア手術で精管を切断した

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.824 - P.824

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 小児でも成人でも,未だ子供をつくる必要のある人に対しては,もし精管を切断した場合は,再建術を試みるべきである.他側が残つているからかまわないと考えるべきではない.反対側にもへヘルニアが発生し得ること,そして両側にもし損傷が起これば不妊につながることを考慮し,必ず再建するべきである.もつとも小児の場合などは,精管が細いので,再建術後の開存率は50%ぐらいであろうなどといわれている.
 再建には,6-0ぐらいのクローミックカットグート,またはデキソンを使い,全層を通して端々吻合する.マイクロサージャリー用の顕微鏡を使えば成績がよいというが,筆者には精管切断の経験がない.術後,吻合部の開存率をよくする方法として,カットグートをスプリントとして使う方法や(図),ワイヤをスプリントとして両端を腹壁外に出し,10日位してから抜き去る方法もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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