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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている その他の手術

痔瘻で2次開口部が3個所あるとき

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.826 - P.827

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 痔瘻の場合,特に2次開口部が多数あるときには,クローン病,潰瘍性大腸炎,化膿性汗腺炎,瘻口形成性膿皮症などを鑑別して置く必要がある.前2者は,ロマノスコピー,バリウム浣腸および臨床症状で鑑別できる.後2者は,歯状線部に1次口をもたないこと,特に化膿性汗腺炎は,肛門周囲の皮膚に多数の瘻孔開口部があり,相互に枝分れしながら比較的浅い皮下を走る瘻管で連絡しあつているのが特徴である.
 さて,通常の痔瘻で,2次開口部が3カ所あるときでも,種々の場合がある.最も多いのはもちろん,瘻管が内外括約筋間を走る単純痔瘻だが,そのうちでも,浅く皮下外括約筋の下を走るものなら,瘻管切開の際,切断しなければならぬ括約筋は,皮下外括約筋だけなので,3カ所同時に切断しても,術後に肛門機能障害は起こらない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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