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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている その他の手術

全周性の高度の脱肛を伴う,内及び外痔核で,通常の結紮切除で処理できそうにもない

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.830 - P.830

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 脱肛が痔に基づく粘膜性の脱肛で,真性の直腸脱でなければ,ひどい脱肛でも痔を手術すれば治る筈である.また全周性のものでも,4カ所位の結紮切除を行い,それぞれの切除創の中間部は,粘膜下に痔核の摘出を行えば,どんなひどい痔でも結紮切除法で処理できる.粘膜下を掘る場合は,粘膜が下の組織から遊離して浮くが,このとき血行障害を起こさず,狭窄を起こさぬようにするため,橋をつくる粘膜片の幅を最低7〜8mmは保ちたい.仕上げのとき,脱肛のひどい患者では,長軸での粘膜の余剰が起こりやすいが,これは結紮切除の際吊り上げても残る場合は切り取つて,断端を1〜2針カットグートで肛門皮膚に縫いつけておけば,治つた後の外観がよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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