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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 肺・縦隔手術

上葉切除の際,下肺靱帯を切除すべきかどうか

著者: 長田博昭1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学第3外科

ページ範囲:P.855 - P.855

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 下肺靱帯の「切除」と言われると,残存中下葉に対する授動操作の目的でする靱帯切離と,肺癌手術の際の#9リンパ節郭清のための切除の両方を念頭に置いてしまう.しかし#9は上葉切除では第3群リンパ節に入り根治手術の要件ではないから,あきらかなリンパ節腫大がない限り郭清の必要はない.従つてここでは前者の問題にしぼつて考えて見たい.
 授動操作としての肺靱帯切離は確かに有効で,さらに肺門や肺門周囲の心膜切開を併せ行うと右肺末梢側は全体として3.9cmも頭側に向けて授動し得る(Grillo).上葉切除の中でもsleeve lo—bectomyの場合は中幹または下幹以下を授動して減張する必要があり,肺靱帯の切離は必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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