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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 胸腹部重度外傷

外傷性気管支破裂の呼吸管理および術式をどうするか

著者: 葛西猛1 小林国男1

所属機関: 1帝京大学救命救急センター

ページ範囲:P.870 - P.870

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 鈍的胸部外傷による気管支破裂には2つのtypeがある.1つは完全断裂でこれは胸腔ドレーン挿入によつても緊張性気胸が改善されないため緊急開胸術を必要とする.他の1つは,気管支断裂はあるがperibronchial sheathによつて辛うじて連続性が保たれているものである.これは後日断裂部位の瘢痕狭窄ないしは閉塞による無気肺のため発見されることが多い.この項でとりあげるのは前者である.
 (1)呼吸管理;鈍的胸部外傷で呼吸困難,チアノーゼがあり一側の呼吸音が減弱している時は外傷性緊張性気胸を疑い胸部X線を撮影する前に胸腔ドレーンを挿入しなければならない.胸腔ドレーンから大量のair leakageが認められる場合,あるいは2本の胸腔ドレーンが機能しているにも拘わらず,胸部X線像で患側肺が再膨張していない場合は,肺破裂ないしは気管支断裂を疑い,緊急手術の準備をすると同時にendo-tracheal tubeをendo-bronchial tubeに変換し,片肺換気unilateral lung ventilationか左右肺を別々に換気させる方法independent lung ventilationを施行しなければ救命は困難である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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