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特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 胸腹部重度外傷
肝損傷に対し単純縫合止血で出血がコントロールできない
著者: 葛西猛1 小林国男1
所属機関: 1帝京大学救命救急センター
ページ範囲:P.873 - P.874
文献購入ページに移動図1cのような深在性裂傷で口が開いたように割れている場合は肝十二指腸靱帯内で肝動脈および門脈をクランプするPringle's maneuverを応用しつつ,裂傷辺縁の凝血塊や壊死組織の除去後出血点を結紮する.この方法で出血がコントロールできた場合は開放創とし,その近傍にドレーンをおくだけで良い.創縁を無理に寄せようとすると逆に肝実質が裂けたり,術後肝膿瘍やhemo—biliaを誘発することになり行つてはいけない.創の深部からの細い出血が気になる時は有茎大網を創に充填しその上から連続縫合し止血をおこなう(Id).
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