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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 胸腹部重度外傷

左側半結腸の外傷性破裂に遭遇した

著者: 葛西猛1 小林国男1

所属機関: 1帝京大学救命救急センター

ページ範囲:P.878 - P.879

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 外傷性であれ非外傷性であれ,nonpreparedの左側半結腸破裂ないし穿孔例は縫合不全の発生率が高く,従つて,それぞれの状況に適した術式の選択が必要である.
 (1)primary closure(図a);最近は左側半結腸の破裂に対しprimary closureをおこなう事が多くなつてきている.患者の立場から考えるならばprimary closureが最も理想的な術式であるが,安全性という観点からは若干問題がある.参考までにStone,FabianおよびWienen等のprimary closureの適応基準を紹介する.ⅰ,ショック状態は軽度で1l以内の出血量,ⅱ,腹腔内他臓器損傷が2つ以下,ⅲ,腹腔内の汚染程度が軽度である.ⅳ,外傷後8時間以内の修復,ⅴ,大腸および腹壁損傷が軽度で切除を必要としない,となつている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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