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特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 血管造影
血管内膜を損傷してしまつた
著者: 平松京一1
所属機関: 1慶応大学病院放射線診断部
ページ範囲:P.885 - P.885
文献購入ページに移動 血管の内膜損傷はカテーテル操作に伴つてしばしば遭遇する合併症の一つである.ガイドワイヤーによつて起こる場合とカテーテルによつて起こる場合があるが,時にはガイドワイヤーが内膜下に入り込み,これにかぶさつてカテーテルが内膜下を進む場合も少なくない.カテ先が内膜下にわずかに入り込んだだけでは大きな障害は発生しないが(図A),この位置で造影剤の大量注入が行われると,造影剤の内膜下注入となつてしまう(図B).通常この造影剤は吸収されるか,カテーテルが入り込んだ孔を通つて血管内にもどるが,高血圧症の患者で大動脈にこの内膜下注入が起こると人工的な解離性大動脈瘤に移行することもある.したがつてこのような場合には状況に応じて血圧を下げることも必要となる.
カテーテルの選択的ならびに超選択的操作に際してカテーテルやガイドワイヤーが内膜を損傷すると,これにスパスムが伴い,この部位における血流を一時的に悪くする場合が多い.したがつてこのような場合には,カテーテル操作をこの時点で諦めるのが原則であるが,カテーテルを少し引きもどした部位からイミダリンやプロスタグランディンE1などの血管拡張剤を注入したり,ヘパリンやウロキナーゼなどを注入しておくべきである.
カテーテルの選択的ならびに超選択的操作に際してカテーテルやガイドワイヤーが内膜を損傷すると,これにスパスムが伴い,この部位における血流を一時的に悪くする場合が多い.したがつてこのような場合には,カテーテル操作をこの時点で諦めるのが原則であるが,カテーテルを少し引きもどした部位からイミダリンやプロスタグランディンE1などの血管拡張剤を注入したり,ヘパリンやウロキナーゼなどを注入しておくべきである.
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