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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 血管塞栓術,拡張術

動脈狭窄部を通すガイドワイヤーが血管外に出た

著者: 青木克彦1 水野富一1

所属機関: 1聖路加国際病院放射線科

ページ範囲:P.896 - P.896

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 ガイドワイヤーの硬い方の先端を先行させた場合,また柔軟な方の先端を用いても血管内腔にアテローム変性や潰瘍形成がある場合には血管壁を貫ぬくことがある.ガイドワイヤーは必ず1〜3mm Jガイドワイヤーを用いるべきである1).Y形コネクターで二重管になり,先端近くに側孔の開いたカテーテルやグリュンチッヒの同軸カテーテルにて,絶えず造影剤をフラッシュして動脈の走行や内腔を観察しながらガイドワイヤーやカテーテルを進めるべきである2).ガイドワイヤーが血管壁を貫いても,たいていそこは乏血気味であり,後腹膜や筋肉のため広い間隙がないので,血管が裂けたりしないかぎり大出血は起こらない3)
 <対策>血管形成術は中止して造影を行い,造影剤の血管外漏出程度をみて検査を終了する.その後必要に応じCTや超音波検査にて血腫や出血の程度を観察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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