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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

文献概要

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている 穿刺術

胆道ドレナージチューブが逸脱した

著者: 青木克彦1 水野富一1

所属機関: 1聖路加国際病院放射線科

ページ範囲:P.900 - P.901

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 ドレナージカテーテルの肝内胆管からの逸脱は最も頻度の高い続発症である.検査室から運搬車に移す時にすでに抜ける早期のものから,数カ月経て退院後自宅で逸脱するものまである.
 <対策>2週間以内にカテーテルが完全に逸脱した場合は,元の瘻孔から再挿入することは困難で,多くは新たに皮膚より再刺入することが必要である.逸脱後2〜3日待つて肝内胆管の拡張を確認してから穿刺した方が成功しやすい.少しでもカテーテルが体内に残つている時は,先端の真直なflexibleなガイドワイヤーで,患者の呼吸停止の程度を変えながら肝被膜の孔を透視下に根気よく探す.症例にもよるが,ドレナージが2週間程経た例では皮膚孔より肝実質を貫いて胆管まで瘻孔ができていることが多い(図1).造影剤をある程度圧力をかけて皮膚瘻孔より透視下に注入すると(このための特別な注入器も考案されている)(図2)1),肝内胆管が造影され,それに沿って真直な軟かいガイドワイヤーを元の肝内胆管に進めカテーテルを再挿入できる2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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