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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻6号

1984年06月発行

特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている

穿刺術

経皮腎瘻術で腎盂や尿管に穿孔を起こした

著者: 青木克彦1 水野富一1

所属機関: 1聖路加国際病院放射線科

ページ範囲:P.904 - P.905

文献概要

 前項で述べたように水腎症や急性,慢性炎症を伴う腎盂や尿管は,ガイドワイヤーやカテーテル先端で損傷を受けやすい.
 <対策>カテーテルからの順行性尿路造影で後腹膜腔への造影剤漏れが認められても(図A),腎瘻からのドレナージが十分に効いていれば損傷部位は自然修復されることが多い2).利尿をつけ,抗生剤投与で経過観察をして1〜2週間後に造影してみると(図B),造影剤の漏れは認められなくなつている.尿管吻合縫合不全,炎症や腫瘍による尿管破綻の時に治療目的で経皮腎瘻術が行われるのと同じ由縁である.1978年の米国泌尿器放射線学会の調査では1),1207例の経皮腎瘻術中尿の漏出は7例(0.6%)で,ドレナージを必要としたのは4例にすぎない.尿の漏出には腎瘻からの尿量と臨床症状を注意深く観察し,超音波やCTによる検査が病変の進展を知る上で有用である.膿瘍形成があれば,超音波下に穿刺ドレナージを行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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