臨床外科39巻8号

1984年08月発行

臨床報告

難治性完全側頸瘻の1手術経験

著者： 梶原達観¹ 根木逸郎¹ 森岡秀之¹ 品川裕治¹

所属機関： ¹山口大学医学部第2外科

ページ範囲：P.1163 - P.1166

はじめに
　側頸嚢胞および側頸瘻は，胎生期の鮒性組織からの遺残より発生すると考えられている．嚢胞のみのこともあれば，皮膚のみに開口する不完全外瘻，内腔のみに開口する不完全内瘻および内外両面に開口する完全瘻がある．不完全外瘻は多く経験するが，不完全内瘻および完全瘻は比較的まれである．今回われわれは長期間にわたり再発を繰り返した完全瘻の症例を経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する．