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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻9号

1984年09月発行

文献概要

ここが知りたい 臨床医のためのワンポイントレッスン

腹腔穿刺のコツは

著者: 福島恒男1

所属機関: 1横浜市立大学第2外科

ページ範囲:P.1275 - P.1275

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 A; 腹腔穿刺は腹腔内に液体や血液の貯留があるかどうかを確かめる診断的意義とそれを除去する治療的意義を持っている.腹腔内に液体,血液が貯留しているかどうかは腹部打診による濁音界の出現,波動の有無,腹部X線写真における結腸旁溝の拡大,超音波診断装置で隔壁のないaechoicな領域と底面echoの増強所見などで診断出来る.しかし貯留液の性状は穿刺してみないと実際には分らない.対象となる疾患は癌の腹膜播種,細菌性腹膜炎,肝硬変,ネフローゼ,蛋白漏出性胃腸症,結核,膵炎,胆道疾患,フィラリヤなどと,腹腔内出血をきたす疾患には外傷による肝損傷,脾損傷,腸間膜血管損傷,術後の出血,婦人科的疾患として卵管妊娠中絶,卵巣出血などがある.
 これらの基礎疾患があり,諸検査で腹腔内に液体貯留が認められる場合に腹腔穿刺を行うが,広範な腸管癒着が疑われる場合,腸管の膨満のある場合,限局性腹腔内膿瘍などの際には穿刺に十分注意しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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