臨床外科4巻10号

1949年10月発行

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外科領域に於ける血清コバルト反應

著者： 橫田浩¹ 河本宗之¹

所属機関： ¹岡山醫科大學放射能泉研究所

ページ範囲：P.525 - P.528

　血清の熱凝析に基く膠質化学反應として，井上内科門下^1）−3）は可檢膠質への添加物に塩化コバルトを使うと，僅かの濃度差でも非凝析域との境が鮮明に現れ，肉眼判定が容易であり，又凝析帶も比較的広いものとして血清コバルト反應（Co-R）を提唱した.
　本反應に関してはまだ同門下の外には檢討成績の発表がない様であり，吾々之を外科的疾患に就て行い，手術の前後や，2,3疾患の経過に伴う変動を見，血清蛋白との関係を吟味し，更に2,3の肝機能檢査成績と比べて，若干興味ある結果を得たので簡單に報告したい.