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頭蓋内血腫の診斷における血管図
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ページ範囲:P.567 - P.570
文献購入ページに移動 一般外科病院でも又専門の神経外科クリニクでも急性頭部傷害をうけた患者において,屡々診断及び治療上の困難に直面するものである. この傷害外科の分野に於いては,経驗ある外科医は極く少数であり,またその頭蓋内傷害の性質と大いさについては常に疑いなきを得ないであろう.
頭蓋骨折は決して簡單なものではない,体の他部において骨折が重要な意味をもつのとはちがつて,骨折自身は頭蓋傷害においては意義は少い. Oslo市病院の第三外科に1937-1939までの間,頭部傷害で收容された患者のうち頭蓋骨折をおこしていたものは,35%であつた. 死亡率は頭部傷害全数については7.6%であつたが,骨折のあるものでは18%であつた. 頭蓋骨折のあることは,傷害を強くうけたことを意味する. 我々の経驗では骨折のない頭部傷害は致命的であることは極めて稀である. それ故,頭部傷害における骨折の有無は予後に重要な意義があるものではあるが骨折それ自身が死の原因として何ら回答をもたらすものではない.
頭蓋骨折は決して簡單なものではない,体の他部において骨折が重要な意味をもつのとはちがつて,骨折自身は頭蓋傷害においては意義は少い. Oslo市病院の第三外科に1937-1939までの間,頭部傷害で收容された患者のうち頭蓋骨折をおこしていたものは,35%であつた. 死亡率は頭部傷害全数については7.6%であつたが,骨折のあるものでは18%であつた. 頭蓋骨折のあることは,傷害を強くうけたことを意味する. 我々の経驗では骨折のない頭部傷害は致命的であることは極めて稀である. それ故,頭部傷害における骨折の有無は予後に重要な意義があるものではあるが骨折それ自身が死の原因として何ら回答をもたらすものではない.
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