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文献詳細

雑誌文献

臨床外科4巻12号

1949年12月発行

文献概要

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代用血漿アルギン酸に就て

著者: 友田正信1

所属機関: 1九州大学医学部友田外科学教室

ページ範囲:P.616 - P.620

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緒言
 急性大出血の処置,蛋白補給其他に対し全血の輸血が最も有効的であるとしても,吾國の現状では,殊に急性出血患者が一時に多数出た場合には大量の血液を一時に得ることはむつかしい. 乾燥血漿とても其の材料を人体に求めなければならない関係上現在に於ても,又將來に於ても相当の量的制限を受ける事は勿論である. 吾が教室では最近血液銀行の設立を企図しているが,給血者も100名内外約束している. 然し晝間は別としても院外の給血者に連絡を始めてから,輸血を実施する迄にはやはり相当の時間がかゝる. それで血液銀行を有していても,急の場合にはやはり代用血漿の必要を痛感する. 他方血液を血液で補うと云う事は一見理想的の樣ではあつても,よく考えて見ればこれは最も原始的な方法でもある. 戰時と云わず平時と云わず優秀な血液代用品の出現は最も期待せられている所である. 吾々は数年來吾國の島國であり海藻に豊かな特種環境にある特種事情に鑑みて独自の立場から新代用血漿を創製し,5年間の綜合的研究を了し優秀な代用血である事を色々の方面から立証したので,茲に研究の大要を記述する事とする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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