文献詳細
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文献概要
吾々の教室に於て,生越十三が頭部外傷によつて死亡した例の腦幹部を連續切片によつて詳細に組織學的に檢査した所によると,(腦及神經,第1集,昭和23年11月)出血(小出血斑)は中腦背側部を中心とする一帶に最も多く見られる。之は機能的に見れば一種の去腦切斷に類似する。併し斯樣な例の多くは,受傷後短時間にして死亡して了うから,臨床的觀察の對象となる事は少いと想像される。今この點を再檢討する爲に,吾々の頭部外傷例の中から,かかる去腦強直樣症状を呈した例を拾い上げて見よう。
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