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創傷治癒に關する組織學的研究—第1報 創傷第1期癒合の組織學的機序
著者: 日下邦夫12
所属機関: 1東北大學醫學部解剖學教室 2東北大學醫學部桂外科教室
ページ範囲:P.110 - P.112
文献購入ページに移動創傷治癒に關する組織學的研究の發端と發展はMarchand1)の綜説に詳かであり,またこの研究に一應の解決を與えたのも同氏であつて,同氏以後この方面に於いて革新的な業績をあげた研究者はなく,そこには,最早本質的な問題は殘されていないように見えたのである。
しかるに1942年以降,本解剖學教室で山崎及び協同研究者2)3)4)により,顆粒白血球の潜能を中心課題として試みられた多數の研究は創傷治癒の過程を,これと本質的に同一の組織反應,炎,の場合と同樣に,從來とは全く異なる立場から改めて檢討する必要を生ぜしめた。この立場は19世紀に於けるZiegler5)の業績にその萠芽を認めるが,その後發展せず,同氏6)も後に到り自説を放棄してMarchand學派に合流したのである。しかし顆粒白血球の組織形成能は既に山崎等が各種の條件下で確めた所であつて,金城7)も創傷第1期癒合が同白血球の行動によつて殆んど全く一元的に説明され得ることを明らかにしている。
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