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文献詳細

雑誌文献

臨床外科4巻5号

1949年05月発行

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急性穿孔性腹膜炎に續發せる破傷風例

著者: 城戶泰正12 桑原德次12 古川玉男12

所属機関: 1名古屋大學醫學部齋藤外科教室 2山本組合病院外科

ページ範囲:P.239 - P.240

文献概要

緒言
 破傷風は不潔なる創傷感染に依り,時に汚染せる外傷の後に發生せることは臨牀上既に明確に證明されているが,余等は感染徑路の甚だ不明確なる破傷風例を經驗し茲に之を報告せんとするものである。即ち急性虫垂炎性穿孔性腹膜炎の手術後13日目にして輕度の破傷風樣發作あり,漸次この發作は強烈となり,臨牀上明確に破傷風と診斷し得べき諸症状を具備し,茲に直ちに破傷風治療を開始し,全治し得た症例であるが,その發生機轉を考察するに患者は手術前外傷を受けたることなく,手術及び手術後の創傷虔置は型の如く絶對無菌的に施行せるに拘らず發生せるものにして,濳伏期間等の關係をも考慮し,恐らく腸管系内に存する破傷風菌が毒力發揮の機會に遭遇し,本病を惹起するに至りたるものと思考せられる。斯る感染例は新潟中田外科より1例報告せられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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