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文献詳細

雑誌文献

臨床外科4巻6号

1949年06月発行

文献概要

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結核性瘻孔のペニシリン注射併用に依る根治手術

著者: 本間五郞1

所属機関: 1伊勢崎病院

ページ範囲:P.313 - P.313

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 痔瘻,流注膿瘍の瘻孔及び腺結核の瘻孔は一般の局所處置では單に病竈の惡化を稍々阻止する程度で,外科治療中誠にぱつとしない詰らぬものゝ一つとされ兎角等閑に附されている傾向があると云うのは已に瘻孔の形成されたかゝるものにあつては假令剔出根治手術を試みても從來にあつては其の手術創の一期癒合は望み難く,長期に亙る瘢痕治癒を待たねばならず,其の間に再發併發に危險が少ない。而るに之等のものゝ剔出根治手術に併せてペニシリンの創内及び分創筋注を多量に行い,手術創の全縫合をなし1期癒合短期間に全治せしめ得た。
 術後無痛時に輕痛で激痛を訴えたものは1人も無く,術後手術創内血腫及び分泌物の吸收熱と云うべき發熱は殆んど見られず,せいぜい最高37度1.2分で大多數のものは無熱であつた。此のペニシリンの外科的應用は外科手術に飛躍的革新を齋らし,從來難治とされた種々の手術を成功に導くものと思惟し,其の一端としてペニシリンの併用に依る痔瘻並に結核性瘻孔の剔出性手術,一期癒合成功例を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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