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手術適應の檢討という点からみた肺癌の腦轉位症例
著者: 工藤達之1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科
ページ範囲:P.401 - P.402
文献購入ページに移動 診断技術の進歩した現在では脳の腫瘍はそう珍らしい疾患ではない。脳及びその被膜から発生する固有の脳腫瘍のほかに他体部の惡性腫瘍の轉移を見る場合も屡々で,有名なCushing-Baileyの2023例の脳腫瘍統計では85例,4.2%,Geffersonの1000例の統計では20例2%に過ぎないが我國ではも少し多くなるのでばないかという感じがする。我々の取扱う中年以上の脳腫瘍に擬せられた患者に就ては我教室では必ず神経学的な検査と併行して脳以外の臓器の檢査を充分行つて轉移による腫瘍の除外に努力しているが,それでも時に原発巣の発見に失敗を繰返えしている。此樣な症例の一つを取あげて檢討し自ら戒心の一資料としたい。
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