文献詳細
文献概要
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蛔虫と外科的疾患
著者: 香川香三郞1 渡邊十一郞1
所属機関: 1靜岡厚生病院外科
ページ範囲:P.413 - P.414
文献購入ページに移動緒言
近時蛔虫の蔓延は実に驚ろく許りで外科的蛔虫症も又非常に多い。直接に間接に外科的の疾患を惹起する場合もあれば單純なる合併症である場合もある。又手術後に合併症として影響を及ぼす樣な事もある。その結果として診断の困難な場合があり,診断を遅延せしめて手術の時期を失せしめる樣な事や折角の手術が無駄になつたり,治療期間が長引いたりする。
蛔虫の危害は濃厚感染も勿論乍ら一條といえどもその貴重臟器内への異所的迷入の爲に寄生主の生命に関する樣な場合を発耒する。而して最近の如き蛔虫の蔓延率と藥物の不足に依つて完全駆虫は至難となり,蛔虫に誘発せられる外科的疾患が又多くなるのである。
近時蛔虫の蔓延は実に驚ろく許りで外科的蛔虫症も又非常に多い。直接に間接に外科的の疾患を惹起する場合もあれば單純なる合併症である場合もある。又手術後に合併症として影響を及ぼす樣な事もある。その結果として診断の困難な場合があり,診断を遅延せしめて手術の時期を失せしめる樣な事や折角の手術が無駄になつたり,治療期間が長引いたりする。
蛔虫の危害は濃厚感染も勿論乍ら一條といえどもその貴重臟器内への異所的迷入の爲に寄生主の生命に関する樣な場合を発耒する。而して最近の如き蛔虫の蔓延率と藥物の不足に依つて完全駆虫は至難となり,蛔虫に誘発せられる外科的疾患が又多くなるのである。
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