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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻1号

1985年01月発行

特集 最近の経腸栄養法と外科

経腸栄養法の実際—炎症性腸疾患

著者: 樋渡信夫1 今野保敏1 小林和人1 後藤由夫1 遠藤克博2 渡辺晃2

所属機関: 1東北大学医学部第3内科 2国立仙台病院消化器科

ページ範囲:P.73 - P.80

文献概要

 炎症性腸疾患に対するED療法の効果を検討した.クローン病35例に対して,エレンタール2,400kcal/日を単独で平均60日間投与したところ,28例が著効を示し,30例でCDAIが150以下となつた.各種の炎症や栄養のパラメーターも改善し,X線,内視鏡的にも潰瘍性病変や炎症の消失〜著明な改善を認めた.しかし長期経過例では狭窄の改善や内瘻の閉鎖をみることはまれであつた.また経口摂取再開後1年以内に約半数の症例で再燃がみられた.ED療法は従来の薬物療法と比較して,primary therapyとしての有用性を認め,現時点では最良の治療法と考えるが,その限界も示された,潰瘍性大腸炎では慢性持続型に対してadjunctive therapyとしての効果が期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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