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雑誌詳細

文献概要

特集 症例による急性腹症の画像診断

腹部大動脈瘤破裂

著者: 真栄城優夫1

所属機関: 1沖縄県立中部病院外科

ページ範囲:P.1207 - P.1209

症例
 80歳,男性.生来健康で,年齢に比し活動的.1人住まいをしていた.時々,腰痛がある以外,特記すべき既往歴はない.入院当日の午前11時頃,屋内に倒れている所を,訪問してきた家人に発見され,救急センターに搬入された.意識低下のため,胸痛,腹痛,腰痛の有無など,一切の病歴は聴取不能である.
 最高血圧60,脈博140と明らかなショック状態であつた.直ちに下肢高挙,酸素投与,鎖骨下静脈穿刺による静脈確保,CVPの測定,EKG,動脈血ガス分析などがチェックされた.EKGに異常なく,CVPは低値で肺水腫の所見のないことが確認されてから,乳酸加リンゲルの急速輸液を行った.1,000 mlの輸液で血圧は80まで回復し,腹部に大きな搏動性腫瘤が触知できた.超音波エコーは図1の像を示し,腹部大動脈瘤破裂と診断され,直ちに救急手術が行われた.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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