icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻11号

1985年10月発行

文献概要

カラーグラフ 胆道疾患の外科病理・3

石灰乳胆汁

著者: 木下博明1 酒井克治1 長田栄一1 福嶋康臣1

所属機関: 1大阪市立大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1317 - P.1319

文献購入ページに移動
本症の臨床像
 石灰乳胆汁は比較的稀な疾患とされてきたが,本邦ではこれまでに300数例が報告され,その発生頻度は胆石症手術症例の約1〜3%である.男女比では1:2.7と女性に多く,30歳から40歳代に多くみられている.主な症状は腹痛で,胆石症一般とほぼ同様であるが,黄疸,発熱をみることは少ない.一般に病悩期間が長いが,無症状に経過する例もかなり多い.ちなみに最近12年間の自験石灰乳胆汁症例は13例で,同期間の胆石症657例の1.97%に相当した.胆石症初回発作より手術までの期間は平均4.3年で,初回発作時胆嚢造影を受けた症例は胆嚢造影陰性例と診断されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?