文献詳細
文献概要
特集 消化器外科医のための血管外科手技
血管合併切除と再建のコツ—門脈
著者: 阪口周吉1
所属機関: 1浜松医科大学第2外科
ページ範囲:P.1337 - P.1343
文献購入ページに移動 胆道,膵癌切除52例のうち15例において門脈合併切除を行つた.再建は端々"さしこみ吻合",4点固定の結節縫合を原則としたが,2例ではグラフト移植を必要とした.肝門部の分岐部切除,門脈左枝—本幹吻合では特殊な配慮を要する.門脈再建に起因する術死,合併症を認めず,本手術は本質的には安全な手術である.しかし術後早期及び晩期の吻合部狭牢はかなり高率に認められる.適応の決定には術前の門脈造影の十分な検討が必要であり,時に移植を余儀なくされる事態も考慮すべきである.本手技上のポイント,難点などについて述べた.
掲載誌情報