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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻11号

1985年10月発行

文献概要

シリーズ・がん集学的治療—いま,放射線科では・3

乳癌手術可能症例に対する根治的放射線治療

著者: 大川智彦1 後藤真喜子1 喜多みどり1 渡辺紀子1 関口建次1 池田道雄1

所属機関: 1東京女子医大放射線科臨床腫瘍部

ページ範囲:P.1389 - P.1395

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はじめに
 わが国において,乳癌の治療は手術を主体とし,合併療法として放射線や内分泌・化学療法が行われるのが今日の治療体系の基本である.すなわちHalstead・Meyerにより確立された定型的乳房切断術が乳癌の標準術式として今日まで広く行われ,早期乳癌症例や組織学的悪性度の低い症例に対しては,胸筋を温存するいわゆる非定型的乳房切断術も行われている.しかし欧米においては,乳癌は早期より全身化し全身病であるとの考えや,乳癌の原発巣や所属リンパ節を含む初回治療においても,手術を縮小化し放射線にウェイトをおき局所治療を完成させるといつた考えが一部に定着していた.Mcwhirter1,2)(1948)は単純乳房切断術と放射線治療の併用により定型的乳房切断術に匹敵する成績を発表し,Baclesse3)(1955)は放射線単独治療成績を報告した.又,Mustakallio4)(1954)は早期乳癌症例に対しても腫瘍摘出(Extirpation:今日のwide excisionやlumpec—tomyに相当)のみと放射線治療による成績を発表し,これらが欧米における乳癌原発巣初回治療に対しても放射線治療を行うという概念の基礎となつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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