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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻12号

1985年11月発行

特集 肝硬変合併患者の手術と管理

術中管理と手術方針—胃・十二指腸潰瘍手術

著者: 青木照明1 稲垣芳則1 佐々木謙伍1 岩崎貴1 森川洋一1 関口更一1 長尾房大1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2外科

ページ範囲:P.1503 - P.1507

文献概要

 肝硬変症,とくに門脈圧亢進症を伴つている肝硬変症では胃・十二指腸において胃壁の循環動態の変化,防御因子の低下などにより胃内病変は多彩であり,急・慢性潰瘍が約40%に合併していた.また肝硬変性門脈圧亢進症の出血例の1/3は胃内病変よりの出血である.合併胃・十二指腸潰瘍は原則的には極力,保存的に加療すべきであり,止血不能の出血例は手術時期を失することなく緊急手術を行わねばならないが,食道静脈瘤が併存する時,全身および肝の病態,食道静脈瘤への対策を十分考えねばならない.57例の手術を行つたが,十二指腸潰瘍は食道静脈瘤の直達手術で十分の治療効果があつたが,胃潰瘍は,発生部位による術式選択に一層の検討が必要であつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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