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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻12号

1985年11月発行

文献概要

特集 肝硬変合併患者の手術と管理

術中管理と手術方針—胆石症手術

著者: 今岡洋一1 松代隆1

所属機関: 1東北労災病院外科

ページ範囲:P.1519 - P.1523

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 肝硬変に続発する胆石は主に非炎症下に生成されるもので,黒色石が多く,大部分が胆?結石である.無症状あるいはこれに近いものでも,突然急性胆嚢炎に移行することもあり,手術をすすめるべきである.代償期の肝硬変であれば,多少の肝予備力の低下があつても胆摘,胆管切開などは安全に行い得ることを強調した.
 一方,炎症下に生成されるビ石を誘因として発症する胆汁性肝硬変では,種々の付加手術を要する場合が多い.この際,肝葉切除などは肝障害が軽度でも侵襲が過大となることがある.胆汁性肝硬変合併時には,まずPTCSや胆管外瘻による結石の除去を試み,肝の病態を正確に把握した上で,最小の手術侵襲による根治手術を行うべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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