文献詳細
臨床報告
左胸膜浸潤のみられた悪性腹膜偽粘液腫の1例
著者: 吉田禎宏1 田村利和1 宇高英憲1 古味信彦1 松浦章人2
所属機関: 1徳島大学医学部第1外科 2徳島大学医学部第3内科
ページ範囲:P.1763 - P.1766
文献概要
腹膜偽粘液腫(以下,本症)は,腹腔内に粘液様ないし膠様の物質が限局性またはびまん性に貯留し,また播種性に発育し,腫瘤状に増殖する疾患で,多くは卵巣偽粘液嚢腫または虫垂粘液嚢腫が原因となつている.本症の腹腔外病変は極めて稀であり,世界で数例の報告があるにすぎない.
今回われわれは,経過中に血清CEA値が異常高値を示し,左胸膜浸潤のみられた本症の1例を経験したので,腹腔外臓器浸潤,遠隔転移について若干の文献的考察を加えて報告する.
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