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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻2号

1985年02月発行

文献概要

特集 腹膜炎治療のノウ・ハウ

的確な診断をどうするか—理学的所見から

著者: 西尾剛毅1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.185 - P.188

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 急性腹膜炎にはさまざまな種類があるが,特に重要なものは急性細菌性汎発性腹膜炎である.これは一刻も早い診断と治療が要求される.汎発性腹膜炎の原因で一番多いものは,胃十二指腸穿孔で,次いで虫垂炎穿孔,大腸穿孔,胆嚢穿孔などがつづいている.
 汎発性腹膜炎のより詳しい原因を診断することは不可能であり,一般には上部消化管,下部消化管穿孔だろうという程度である.また実際に治療するに際しても,穿孔部位の細かな診断は必要なく,これが腹膜炎か否か,また緊急手術をした方が良いか否かを決めることが最も大切である.
 そのように緊急に手術を要する腹部病変(surgical abdomen)か否かを決めるに当つて最も重要な理学的所見は,腸雑音の消失,腹筋緊張,反動(跳)性圧痛の3つの所見であると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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