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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻2号

1985年02月発行

文献概要

特集 腹膜炎治療のノウ・ハウ

術前・術後の管理—腸管麻痺対策

著者: 中野眼一1 中村卓次1 小暮公孝1

所属機関: 1群馬大学医学部第1外科

ページ範囲:P.197 - P.202

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 急性腹膜炎によって惹起される腸管麻痺につき術前・術後の管理の概略を述べた.術前管理の主たるものは,①絶食,②胃吸引,③水分,電解質の補正,④全身状態の把握と管理,⑤ショックおよび感染対策である.次いで手術的に原発巣の除去,感染源の遮断とドレナージを施行する.術後は①Fowlerの体位,②胃吸引,③輸液,栄養補給,④呼吸管理,⑤抗ショック,感染対策,⑥浣腸,⑦腹部の加温,⑧蠕動亢進剤,⑨高圧酸素療法などで管理する.以上,急性腹膜炎による腸管麻痺対策は全身状態の把握と基礎疾患を念頭におき治療に当ることである.すなわち腹膜炎に対する的確な全身の管理が腸管麻痺の予防につながる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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