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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻2号

1985年02月発行

文献概要

特集 腹膜炎治療のノウ・ハウ

手術のノウ・ハウ—下部消化管穿孔

著者: 浅野哲1 志田晴彦1 山本登司1

所属機関: 1東京厚生年金病院外科

ページ範囲:P.227 - P.231

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 最近13年間に経験した虫垂炎,外傷,末期癌性腹膜炎を除く下部消化管穿孔36例(小腸穿孔12例,結腸穿孔24例)について臨床的検討を行つた.原疾患は小腸穿孔では炎症性疾患が,結腸穿孔では結腸癌がそれぞれ大部分を占めた.septic shockをきたした症例が10例でその死亡率は90%と予後は極めて不良であつた.診断に関しては,白血球増多10,000以上は47.0%,腹部単純X線検査での遊離ガス像は41.4%の症例にみられ,確定診断の根拠とはなし難い.手術術式には腸切除を積極的に行う方針をとつたが,手術死亡率は小腸穿孔では36.2%,結腸穿孔では28.6%であつた.腹腔内洗浄法,腹腔内ドレナージの実際について述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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